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虫刺されに注意!
街路樹、公園にひそむ危険な虫

文章:門田 麻里(All About「湿疹・皮膚炎ガイド」)


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多くの人が外に繰り出す、夏の季節。屋外で過ごすのは気持ちがいいものですが、そんなときに気をつけたいのが虫刺され。適切なケアを怠ると、思わぬ症状の悪化をまねくこともあります。今回は、身近にひそむ危険な虫の情報をお伝えするとともに、虫に刺されない工夫、そして刺されたときの対処法についてアドバイスします。

要注意!身近な虫による皮膚トラブル

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外遊びが増える季節。意外と身近にいる虫に注意しよう

外遊びが気持ちいい季節になりました。庭でのバーベキュー、近くの公園での散歩やピクニックなど、屋外で過ごす機会が増える人も多いのではないでしょうか。自然に触れるのは気持ちよく、つい開放的になりがちですが、そんなときに気をつけたいのが「虫刺され」。夏は虫の活動が活発になるうえ、私たちも皮膚を露出する機会が増えるため、他の季節に増して虫刺されに注意が必要といえるでしょう。

とくに身近なのが、「蚊」による虫刺され。室内ではアカイエカ、庭や公園ではヒトスジシマカというように、蚊はどこにでも生息しています。さらに、人を刺すのは身を守るためではなく、メスが産卵にそなえて吸血するためで、蚊の方から人に近寄ってくるのもやっかいな点です。ほかにも、身近な街路樹や公園などには、触っただけで皮膚トラブルを引き起こす有毒な虫もひそんでいます。

こうした虫による被害を防ぐには、生態についてある程度の知識をもって、むやみに近づかないなど、刺されないための対策が必要です。

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軽視は禁物、蚊による虫刺され

蚊に刺されたとき、すぐに赤みやかゆみがあらわれる皮膚反応を即時型反応といいます。個人差はありますが一般的に、大人ではこの即時型反応、乳幼児の場合は遅延型反応を示すケースが多いとされています。遅延型の場合、刺されて1~2日後に症状があらわれ、1~2週間かゆみが続くこともあるようです。その間、かゆくてもかかなければ問題ありませんが、小さいお子さんだと「かいてはダメ」と注意しても理解できなかったり、ガマンできないことも多いでしょう。かき壊した傷口に黄色ブドウ球菌などが感染し、とびひになって重症化したり、あとが残るという心配もあります。

そんな事態を避けるためにも、まずは、蚊に刺されない対策が必要です。蚊は皮膚の露出部を刺すため、外遊びをする際は長そで、長ズボン、靴下、帽子を着用するのがおすすめです。蚊は濃い色に寄りつくため、黒や濃紺などの服装は避けましょう。

携帯用蚊とり器や、虫よけのシール、クリームやスプレーの活用も、ある程度の効果が期待できます。暑くてお子さんが長そでを嫌がるときには、こうした虫よけグッズも役立つでしょう。

なお、虫よけ剤によく使われるディートという成分は、小児に対しては「顔には使用しない」「生後6ヵ月未満には使用しない」「2歳未満では1日1回、2歳以上12歳未満は1日1~3回の使用にとどめる」という制限がありますので、必要に応じて適切に使って下さい 。

スプレータイプを使う場合は、お子さんが吸い込まないよう、保護者等が手のひらに一度吹きつけたものを、ローションを塗る要領でつけることをおススメします。

触れるだけでかゆくなる危険な虫も

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樹木の種類人工的な環境では害虫が発生しやすい

本来、自然の環境では、背の高い樹木や低い樹木、下草など多様な植物が共生して生態系のバランスをとっています。この環境下では、天敵となる野鳥や昆虫が豊富となって、害虫が減るとされています。逆に、植えられている樹木の種類が乏しい人工的な環境では、害虫が発生しやすいということになります。

樹木に被害をおよぼす害虫のすべてが、人にも有毒というわけではありません。ただ、なかには触れるだけで強いかゆみを引き起こす害虫もいるため、むやみに近づかない注意が必要です。

被害報告の多いおもな害虫

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虫に刺されてしまったときの治療

蚊や害虫に刺されたら、いずれも症状を悪化させないための適切な治療が必要です。虫刺されによる症状は、赤みやかゆみといった炎症が中心となるため、早い段階で炎症をしずめ、かき壊しによる悪化を防ぐようにしましょう。

蚊に刺されたあと

「たかが虫刺され」と放置してはいけません。赤み、かゆみがある部位は炎症を起こしているため、ストロングランクの外用ステロイドを用いて、一気に症状をおさえましょう(「ステロイド外用剤は家庭の常備薬!」を参照)。

かき壊してしまうと傷口に細菌が侵入し、増殖して化膿してしまう恐れがあります。このような場合には、ステロイド外用剤の選び方にも注意が必要です。細菌の感染による症状悪化を防ぐため、抗生物質の配合されたステロイド外用剤を使用して下さい。

害虫に刺されたあと

まずは、皮膚に付いた毒針毛や毒トゲを除去しないといけません。他の部位へ広がるのを防ぐため、手でこするのは禁物です。セロハンテープなど用いて、患部からそっとはがすことを繰り返しして下さい。マツカレハの毒針毛は肉眼でみえるので、ピンセットで取りのぞくことが可能です。その後は流水で洗い流し、ステロイド外用剤を塗布します。痛みがある場合は保冷パックなどで冷やすと、やわらぎます。

かゆみが長引き、患部をかき壊したときには抗生物質配合のステロイド外用剤が適していますが、患部が腫れあがるなど症状が強いときは、医療機関を受診しましょう。

お子さんを自然の中で遊ばせるのは成長にもよいことですが、何の対策もなく自然に触れさせるのは危険です。たとえば、自治体では公園などで害虫の発生を確認すれば、「立ち入り禁止区域」と示したロープを貼るなど、被害防止のための措置を講じています。外遊びの際には、安全な環境を確認した上で、思いっきり遊ばせてあげると良いでしょう

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