pagetop

夏に注意!子どもの皮膚トラブル
―日焼けとあせも―

文章:門田 麻里(All About「湿疹・皮膚炎ガイド」)


写真

子どもの肌は、大人にくらべてとてもデリケート。高温・多湿になる夏の季節には、大人以上に皮膚トラブルに対する注意と対策が必要です。今回は、夏の皮膚トラブルの中でもよくある子どもの日焼けとあせもについて、日常生活における予防と対処法をアドバイスします。

大人になってから悪影響も!子どもの日焼け

イラスト

ひと昔前は、子どもの日焼けは健康的というイメージがありました。真夏になると、真っ黒に日焼けをして走り回っている子どもをよく見かけたものです。ただ、最近は、オゾン層破壊にともなう紫外線の増加も一因となり、日焼けは肌や健康に悪影響を及ぼすというのが、一般的な考え方になってきています。

日焼けをすると、肌は赤く腫れて痛みを伴い、水疱ができることもあります。また、長い目で考えると、日焼けのしすぎはシミやシワのもとになるばかりか、将来、皮膚がんの原因となる恐れもあります。現に、強い紫外線がふりそそぐオーストラリアでは、現地で生まれ育った人は、10歳以降に移住してきた人に比べ、皮膚がんを発症するリスクが明らかに高いという報告もあります。日焼け対策は、子供のうちから、少しでも早く始めることが大切といえるでしょう。

続きはこちら

日焼け後にはじゅうぶんなケアを

写真

まずは、なるべく日焼けをしない工夫が必要です。乳児を連れて外出をする際は、ベビーカーの日よけや帽子、薄い長そでなどを利用しましょう。外遊びをする年齢になれば、肌の露出部分に日焼け止めを塗り、首のうしろまでカバーできる帽子をかぶらせると良いでしょう。キャンプなどの野外活動を行う際は、虫よけの意味もかねてできれば長そで、長ズボンを着用し、海やプールではラッシュガードで肌を守ることをおススメします。

また、紫外線は6~8月にかけて、時間帯では10~14時頃にピークを迎えます。外遊びはこの時間帯を避け、朝食後か、夕方の時間帯を選びましょう。日焼け止めを塗った後、走り回って汗をかいたり、2~3時間たったときには、また日焼け止めを塗り直してあげてください。

日焼けをしたら、濡れタオルや、氷水をビニール袋に入れてタオルでくるんだものを肌にあて、じゅうぶんに冷やします。ヒリヒリした赤みが残るときは、ステロイド外用剤を用いて、いっきに炎症を鎮めると良いでしょう。

ただ、日焼けの範囲が広かったり、大きな水疱ができているような場合には重症化するケースもあるため、医療機関を受診して下さい。このように、子どもの日焼けには注意が必要ですが、骨の成長に必要なビタミンDの生成には、紫外線が欠かせません。じょうぶな体をつくるためにも、「日焼けは絶対ダメ」と考えるのではなく、1日15分程度の日光浴は確保して、紫外線とうまくつきあっていきましょう。

あせもがやっかいな理由

写真

夏の季節、多くの親御さんのもう1つのお悩みが、子どものあせもです。子どもはみな、とても汗かき。というのも、子どもは体こそ小さいものの、汗腺の数は大人とほぼ同じなのです。そのため、高温多湿の環境では多量の汗をかき、汗腺がつまって、あせもができやすくなるわけです。

汗をかくこと自体は、体温調節機能を発達させるためにも大切です。そこであせもの予防を考えると、汗をかいても、かきっぱなしにしないことが必要となります。

あせもがひどくなると、肌が炎症を起こし、かゆみを伴うようになります。ただ、小さい子どもに「かいてはダメ」といっても理解ができません。いつの間にかかき壊して肌表面が傷つき、そこに細菌が入りこんで増殖し、かゆみを伴う水疱やかさぶたができてしまうケースもあります。この状態を「とびひ」といい、さらにかき壊すことで症状が全身に飛び火し、重症化する恐れもあるのでやっかいです。

とびひの治療は、抗生物質の内服が基本となります。とびひの兆候が現れたら、はやめに医療機関を受診して、医師の治療を受けて下さい。

あせもにならないための対処法

日常生活におけるあせも対策としては、とにかく汗をかきっぱなしにさせず、肌の清潔を保つことが重要です。

まずはエアコンや扇風機を活用して、快適に過ごせる室内環境を整えましょう。冷風が直接子どもの体に当たらないよう風向きを調節し、昼寝や就寝時には体が冷えすぎを防ぐため、こまめに温度・湿度調整を行います。

服装は、ぴったりしたサイズやつなぎの衣類は、熱がこもりやすくなるため避けてください。汗を吸いやすい肌着を着せて、たくさん汗をかいたら、そのつど着替えさせるのが理想的です。日中、長時間外出する場合はタオルを持参し、こまめに汗をふくこともあせも予防になります。

帰宅すれば、沐浴やシャワーで汗を流すのも効果的ですが、洗浄剤を使いすぎるとかえって肌の角層を傷める恐れがあるため、夜の入浴時だけにとどめましょう。

また、あせもができて肌をかき壊したとき、症状がひどくなるのを防ぐためにも、爪はふだんから短く切ってあげると良いでしょう。あせものかき壊しによる悪化を防ぐには、ステロイド外用剤を用いて、はやめに炎症を抑えることをおススメします。

「小さな子どもにステロイドが使えるの?」と疑問に感じられる方がおられるかもしれません。薬局で購入できるステロイド外用剤は、その成分の強さに応じてさまざまなランクの製品があります。ですから、小さな子どもでも、適切なランクを選ぶことで安全に使用することができます(「症状レベル別ステロイド外用剤の使い方」を参照)。

もし、ステロイド外用剤の選択に迷ったら、薬局で相談してみてください。年齢や症状に合ったステロイド外用剤を使用して、子どもには夏を元気に過ごさせてあげましょう。

写真

Copyright(c) All About, Inc. All rights reserved.
掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。