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環境や体質によってできる
子どもの「しもやけ」

文章:門田 麻里(All About「湿疹・皮膚炎ガイド」)


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子どものしもやけ、なりやすい体質や環境

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子どものしもやけは、5歳前後で多くみられる

冬になると手足の指先が赤く腫れ、むずむず、ジンジンとした感覚を訴える子どもが増えてきます。暖房の普及とともに少なくなったと思われがちですが、冷える季節にはしもやけの症状に悩まされる子どもも少なくありません。

しもやけを引き起すもっとも大きな要因は、冷えによる皮膚の血流障害です。気温が下がると動脈、静脈が収縮し、動脈は温めることですぐ元に戻るものの、静脈は戻りにくいという性質があります。この差によって末梢血流が滞り、手足などに栄養が届かなるため、炎症が生じやすくなるのです。

しもやけは、子どもでは5歳前後で多くみられるようです。ただ、同じ環境で遊んでいるのに、しもやけになる子どもとそうでない子どもがいると思いませんか? しもやけの発症には、どうやら体質も関係していると考えられています。家族の中にしもやけになりやすい人がいる、いつも手足が冷たい、冷えやすい体質の子どもは冬の季節はしもやけにならないよう、とくに配慮が必要です。

要チェック!しもやけになりやすい条件

  • 日中の気温が5℃前後
  • 1日の気温差が10℃以上
  • 防寒対策をせずに長時間、外遊びに熱中
  • サイズの合わない靴で足先を締めつけ、血流を障害
  • 雨や雪に濡れ、体が湿った状態で過ごす
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しもやけになると、どんな症状が出るの?

しもやけは、おもに手足の指、かかと、耳、鼻、頬などに現れます。いずれも血流の循環が悪くなりやすい、体の末梢部分です。
また、しもやけとひとくちにいっても、その症状から大きく2つのタイプに分けられます。まず1つは、手足の指全体が赤紫色に腫れあがる「樽柿(たるがき)型」です。この呼び名は、熟れた柿に似ていることに由来しています。もう1つは手足の指や足のふち、耳たぶや鼻、頬に1~2センチ程度の赤い発疹が出る「多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)型」です。

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子どもに多く見られる「樽柿型」。
大人にも症状の多い「多形滲出性紅斑型」

いずれのタイプも、患部が温められることでかゆみや軽い痛みを感じます。外遊びをしているときは平気でも、帰宅して暖房の効いた部屋や、こたつの中で過ごしているうちに症状を強く感じ出すのはそのためです。

なお、しもやけと似た冬の皮膚トラブルにあかぎれがありますが、あかぎれは乾燥により肌表面に亀裂が生じるもので、そこから血が出たり、水がしみたりすると痛がる点でしもやけと区別できます(「ひび・あかぎれ」にはどう対処する?)。

子どものしもやけをケアする際のポイント

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外用剤を選ぶときは、子どもにあったものかどうかを確認しよう

しもやけができてしまったら、末梢の血流を改善し、患部の炎症を鎮めてむずむず、ジンジンといった不快な症状を改善するためのケアを行います。

症状が軽いうちは、ビタミンE含有軟膏やヘパリン類似物質入りの外用剤を患部に塗ることで、血流改善が期待できます。ただ、かゆみや痛みの症状が強い場合、とくに子どもの場合はガマンできずに皮膚をかき壊し、水疱やびらん(ただれ)を生じる恐れもあります。

症状が悪化するのを防ぐためにも、赤みが強く、かゆみ、痛みが長引く場合はステロイド外用剤を用いて炎症を鎮めることをおすすめします。水疱やびらんが出来てしまったときは、化膿した部位にも使える抗生物質配合のステロイド外用剤を使用することをおすすめします。

さらに考えたいのが、子どもに適した外用剤を選ぶ際のポイントです。そもそも皮膚は、年齢によって厚さや皮脂分泌能などに違いがあります。子どもの皮膚は、大人に比べて皮脂分泌が少なく、バリア機能が低い、薬剤が浸透しやすいという特性があります。

そのため、肌に直接塗るステロイド剤は、バリア機能の違いに着目した、作用のやさしいステロイド外用剤を用いると良いでしょう。

子どものしもやけ対処で日常生活で気をつけること

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体が冷えないようしっかり防寒

しもやけを予防するポイントは、ふだんから体を温め、血流促進を図ることが基本となります。とくに子どもの場合は、体が冷える状態であっても気にせず、無防備に遊びに熱中することも多いものです。

むずむず、ジンジンといった症状は子どもにとっても不快ですが、子ども自身、それがしもやけという自覚を持つことはできません。症状の悪化を防ぐためには、周囲がじゅうぶんに気をつけて観察する必要があります。

「子どもは風の子」とはいいますが、寒い屋外で遊ぶときには、しもやけ予防のための対策をしっかりと行ってあげましょう。冬の寒い季節でも、強い体づくりという観点で薄着が良いとする考え方もありますが、それぞれの子どもの体質に配慮することも大切です。冷えやすい体質の子どもは、とにかく体を温めてあげることで、しもやけ対策はもちろん、健康的に冬を乗り切ることにつながります。

子どものしもやけ、日常生活の留意点

・暖冬であっても、突然の寒波到来に備え、防寒着を準備しておく
・子どもが外遊びをするときはマフラー、帽子、手袋の着用を習慣づける
・暖房の効いた室内でも、靴下をはかせるなどして冷えを避ける
・衣類や靴は体に合ったサイズを選び、しめつけによる血流障害を防ぐ
・雪遊びをするなど、手足が湿った後はしっかりと水分を拭き取る
・手足が冷たいときはマッサージをして温める

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